みんなで考えよう!2020年東京オリンピックに見る日本の食料問題とは?

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近頃、オフィシャルキャラクターも決定し一層の盛り上がりを見せている2020年東京オリンピック

オリンピックが無事に開催されるまでの道のりには、国全体を巻き込んで色々な計画が実行されています。
PR、各競技の開催地、交通、各国選手たちへの待遇、セレモニーの企画などなど、素人が思いつくだけでも膨大な計画を成し遂げて実現される日本を上げての一大イベントです。

そんな、開催が待ち遠しい東京オリンピック。

実は、ポジティブなばかりではなく成功のためには乗り越えなくてはならない課題もたくさんあるようです。

 

そんな課題の中から今回考えてみたいのはオリンピックと食の問題。

せっかく日本という素晴らしい食文化のある国で開催されるのだから、その素晴らしさを存分に世界にPRしたいところです。

ところが、現在このオリンピックで選手や関係者に提供される「食」に関し大きな問題が生じています。

 

オリンピックと食の問題に注目することで見えてくる現在日本が抱えている食糧事情の課題的側面について考えてみたいと思います。

 

競技場での食事

 

オリンピックと食といえばまず、選手村で提供される、各国の選手たちが口にする食事。

そして、その他にもメディア関係者や観客などのための食事も必要とされます。

提供される食事には明確な基準が存在し、その食材の調達基準が2017年3月に決定されました。

 

選手村で提供される食材は基本的に次のことが基準となり選定されています。

 

①有機栽培、有機飼育(オーガニック)食材

②農業と福祉が連携することで、障がい者を雇用し生産される食材

③国際認証であるグローバルGAPを取得している食材

 

これらの基準にのっとり、オリンピック開催期間中1500万食といわれる食材を開催国である日本は用意しなくてはなりません。

食材に関する基準が存在するだけではなく、選手が競技で最高のパフォーマンスをするためにあらゆることに気を配られた食事が必要とされます。

 

例えば、栄養面、衛生面の問題であったり、オリンピックの選手村で提供される食事に関してはドーピングコントロールにも配慮し使う食材を選ぶ必要があります。

様々な国、宗教を持つ選手が参加する国際的な祭典であるオリンピックでは提供される料理の種類も多く必要で、その分食材の種類も多くのものを用意する必要があります。

 

宗教や個々の食に関する規定

 

オーガニックや農薬使用などの一般的な食に関する規定とは別に、宗教上や個々の理念によるところの配慮を必要とするのも、多くの人種や宗教を持つ人々が一堂に会するオリンピックならではの課題です。

 

宗教で言えば、特に食事において戒律があるのはイスラム教とユダヤ教。

イスラム教では「豚肉(を含む加工品)」、「血液」「アルコール類」「イスラムの法に則り食肉処理されていないもの」を口に出来ない決まりがあります。

そこで、イスラム教の信者がこれらの法に反していない食品を市販品や外食の際に手に入れることが出来るよう、イスラムで禁じられている豚肉を使用していない、生産、加工される過程においてイスラムでけがれとされるものに接触していない、と認定されている食品利用されています。

それが、「ハラル(ハラール)認証」と言われるもので最近では日本でもハラル認証を発行している団体が10数団体はあると言われます。

 

また、ユダヤ教においても食に関する規定が存在し、例えば草食動物でありかつ胃を2つ以上持つ反芻をする生き物であれば肉を食することが出来、それ以外の食肉に関しては口にしてはいけないという決まりがあります。

牛は食べられるが豚は食べられない、ということになりますね。

 

それに加え、ベジタリアン(肉や魚を食べない)やヴィーガン(卵やゼリーなども含め動物から搾取されるものを一切取り入れない完全菜食主義者)といった食に関する特別な制限を持っている人たちも少なからず存在します。

 

このように、オリンピックでは生産環境の基準や生産者の基準、国際的に認められているかどうかに加え、それらを満たしたバラエティーにとんだ食材から作られる料理を膨大に調達しなくてはいけないミッションが課せられているわけです。

 

オリンピック 食③

 

グローバルGAPとは

 

オリンピックで提供される食の採用基準として今最も重要視されているのが前述したグローバルGAP取得についてです。

グローバルGAPとは国際的な安全基準にのっとり生産されていると認められた農産物が得ることの出来る認証であり、GAPはGood Agricultural Practicesの頭文字を取ったものです。

 

Good・・・適正な

Agricultural・・・農業の

Practices・・・実践

 

この認証は世界120カ国以上に普及が進んでいて農作物に関する事実上の国際基準となっています。

グローバルGAPで管理されている事項には野菜、果樹認証において全218項目あり、その内訳は次のようになっています。

 

①食品安全について・・・99項目

②トレーサビリティー・・・22項目

※トレーサビリティー・・栽培や飼育から加工・製造・流通などの過程を明確にすること

③作業従事者の労働安全と健康・・・28項目

④環境(生物多様性を含む)・・・69項目

 

食の安全基準というと一般的にイメージされる農薬使用や栽培方法など農作物自体に関する審査だけではなく生産に関する様々な工程で関係する環境や生産者の労働環境においても細かい基準が設けられていることが分かります。

世界的にもこのグローバルGAPを取得することが国際的な食に関する安全安心の基準として重視され始めています。

グローバルGAPを取得することは、今回のようにオリンピック基準を満たした安全な食としてオフィシャルな提供が出来るというだけではなく、海外の輸出も視野に入れた販路の拡大や、生産工程が明確化することによる経営改善など生産者にとっても多くのメリットが期待できるものです。

そうした理由からも、イオングループやコカコーラなど日本でも多くの有名企業がすでにグローバルGAPを原料の調達基準にしているなどオリンピックを契機にますます注目が集まっています。

 

ですが、現時点で日本の農作物生産者でグローバルGAPを取得しているのは全体のわずか1%。

そういった現実も考慮し、グローバルGAPだけではなく国内独自の認証であるJGAPや一部自治体の独自認証に関しても利用を認めるということですが、それでも大規模な東京オリンピックの食をまかなうにはまだまだ不足の現状です。

 

日本産の食材が使えない!

 

日本で開催されるオリンピックであれば、当然日本の食文化、日本の食の品質の高さ、独自の食材などについてPRする良い機会であり全面的に打ち出していきたいところ。

東京オリンピック組織委員会もオリンピックで提供される食の方針に関しても国内産を積極的に利用していくことで決定しました。

ところが、前述したオリンピックで提供される食の基準を考えると現時点で日本の食材を提供することが難しい現実が見えてきます。

有機食材に関して2003年のデータでは、国全体の耕作面積に対する有機栽培率についてはわずか0.1%。

他の先進国のデータを見ると

 

オーストラリア11.3%

スイス9.7%

イタリア7.9%

イギリス4%

アメリカ0.5%

 

という結果が出ています。

日本食のヘルシーなイメージの強い日本に対し加工品やジャンクな色味の食べ物が多いイメージのアメリカが日本の5倍も有機栽培面積が大きいという現実があります。

 

食文化に関しては国外からも注目を集め、健康的で伝統的なイメージのある日本食ですが、生産される食材に関しては安全基準があいまいで実態は決して安全、健康的と言い切れるものではないのかもしれません。

 

オリンピック 食①

 

日本の農産物と農薬の問題

 

オリンピックで使用される農産物はグローバルGAPの認証を受けたものでありかつ国産のものを優先的に使用していくという方向で決定しているわけですが、認証を受けるためには農薬の使用についても見直しが迫られています。

そもそも日本は世界的に見て農薬使用量が非常に多いことで知られています。

使用してよい農薬の基準や、量などが法で定められていて守られていることからも安全、というイメージをもたれることもある中で、その基準値自体が世界的な水準に比べ緩いということが問題視されています。

1ヘクタール当たりの農薬使用量で比較してみると、中国、韓国に次ぎ日本は第3位という調査結果が出ています。

世界的に見て日本の農薬使用量が何故多いのかその理由には次のようなことが考えられます。

 

①高温多湿(害虫が繁殖しやすい環境)

②農業の高齢化(効率的に低労力での生産管理を求める傾向)

③農業人口の不足

④虫に食われていない、見た目にきれいなものを求める消費者心理

 

これらの要素が日本での農薬使用量を増加させている原因となっています。

 

ですが、オリンピックの食問題同様、時代が変わり実際の農薬使用や、健康的な問題についての情報がネットなどを通して入手しやすくなったことで食の安全安心への関心が消費者の中でも高まっています。

ニーズに合わせて、農薬の使用を抑え、有機栽培の農作物を増やさなくてはいけない段階に来ていますが、土壌が農薬の影響を受けていない状態にリセットされるまで時間が必要なことや、これまでの農薬使用で耐性が出来てしまった害虫の問題などで簡単にはいかず足踏み状態になっている部分も。

 

また、農薬に関する問題においてはその使用量だけでなく使用される種類においても懸念があります。

ヨーロッパ諸国で規制されている水や土壌を汚染する可能性のある農薬も日本では使用可能であり、WHO(世界保健機構)の調査報告で胎児への影響が指摘されている危険な農薬でさえ使用が許可されています。

 

日ごろ、スーパーで野菜を購入する際に輸入されたものと国産の同じ野菜が販売されていたとしたら、少しくらい高いくらいだったら国産のものを選ぶという傾向が自分も含め周囲にも多いように感じます。

その根拠の無い日本産の安全神話はこのような事実を知るごとにただの思い込みでしかないのかもしれない、と思えます。

 

日本で使用されている農薬の中では特に問題視されているもので「ネオニコチノイド系農薬」というものがあります。

このネオニコチノイド系農薬はEU全体で2013年から使用が禁止されている毒性の高い農薬でヨーロッパだけではなく、韓国、アメリカ、カナダでも使用が規制されている農薬です。

このネオニコチノイド系農薬も日本では使用が規制されていないどころか、2017年には新たに世界的に規制が進んでいる、ネオニコチノイド系農薬であるスルホキサフロルが新規に使用が許可されたという信じられない現状があります。

ネオニコチノイド系農薬は家庭用殺虫剤でもゴキブリやシロアリの駆除用として販売されているものの中に含まれています。

 

人体への影響としては、神経に作用することが指摘されており正常な脳の発育を妨げたり、化学物質過敏症の原因についてもその関連性が注目されています。

また、農薬の中では残留性が高く農薬散布から時間が経っていたとしても毒性が継続的に蓄積される、長期間にわたって土壌にとどまり影響を与え続けるという危険性があります。

通常、野菜表面にとどまたっている農薬に関しては使用前に水洗いや湯でこぼして調理する、重曹を使って洗浄するなどの方法である程度取り除くことも可能ですが、ネオニコチノイド系農薬に関しては浸透性が高く作物の表面のみならず、土壌に浸透し作物の内部に取り込まれます。

 

こういった世界的にも危険性が高いといわれる農薬の使用が知られてしまっている日本で開催される2020年の東京オリンピック。

日本の食文化やおもてなしの文化がポジティブな観点で注目される一方で提供される食材に関しては不安視されている側面も大いにあるようです。

残り約2年で、危惧されている日本の食の生産に関する課題をクリアするにはかなり大掛かりな生産に関する意識改革と、整備が必要になりそうです。

 

オリンピック 食②

 

まとめ

健康的で、他国には無い出汁の活用や食べる人への気遣いを表現することの出来る日本の食文化、そしておもてなしの精神。

是非、2020年のオリンピックでたくさんの人に感じてもらい日本の魅力をどんどん発信していきたいところですよね。

その為に、今回ご紹介した「食」に関する課題的側面を無視せず乗り越えて国際的にも認められる水準まで引き上げていくことは元々ある日本の素晴らしい文化をさらに良いものにする絶好の機会と考えていきたいものです。

 

私たちも国民の1人として関心を持って自分たちの普段の食を見直し、購入の際に食の安全を意識したチョイスをすることで日本全体の意識が少しずつ変えられるのではないでしょうか。

そうした小さなことの積み重ねで2020年東京オリンピックをみんなで素敵な祭典に出来るよう応援できるといいですね。

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