逆効果にもなる!?ポリフェノールに健康作用がないことが判明!?

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血管強化や動脈硬化の予防にもなり、美容や健康のためにも摂るべきとされてきたポリフェノール。ポリフェノールが含まれている代表的なもの、と言えば赤ワインですが、近年赤ワインに含まれるポリフェノールには、今まで認知されてきたような健康効果が「実はない」ことが判明した、ということをご存知でしょうか。赤ワインのポリフェノールについての知識を、改めて見直していきましょう。

赤ワインの効果って・・・?

赤ワインの効果として、動脈硬化予防、ボケ防止、安眠、ガン予防、高血圧予防などが挙げられます。このような効果から、赤ワインは健康にいいと言われてきましたが、それを示すものとして、「フレンチ・パラドックス」があります。

フレンチ・パラドックスとは、フランス人は他の先進諸国に住む人々よりも、チーズやバターなどの乳脂肪や、肉類などの動物性脂肪を多く摂取しているにも関わらず、心臓病による死亡率が低く、動脈硬化の患者も少ないという現象のことを言います。

この現象を解くカギとして、フランス人が他国の人よりたくさん飲んでいる「赤ワイン」に含まれる「ポリフェノールの抗酸化作用」が理由であると説明されてきました。

ポリフェノールには400を超える種類があると言われていますが、特に、赤ワインに含まれる「レスベラトロール」が動脈硬化を防ぎ、心臓血管の疾患を予防する働きがあるとして注目されてきました。

レスベラトロールに効果なし!?

健康にいいとされてきたポリフェノールの一種であるレスベラトロールですが、実は効果がないという研究結果を示す論文が、アメリカ人博士によって発表されました。この研究は、イタリアのワイン生産地で9年かけて男女783人の健康状況を分析し、レスベラトロールの効果について分析したものです。

結果として、レスベラトロールの摂取量が多い人達と少ない人達とでは、心臓血管疾患やガン、寿命などに違いは見られなかったとされ、そのため、レスベラトロールに実質的な効果はない、と結論づけられました。

この理由の一つとして、ポリフェノールは人体に吸収されにくいことがあります。ポリフェノール自体に効果はありますが、それが体内に吸収されないため、人体に与えられる健康作用がほとんどないと考えられています。

さらに、赤ワインを飲むことで、便秘を悪化させてしまうことがあります。便秘解消のために赤ワインを飲んでいるという人もいて、赤ワインは便秘解消にいいという認識が広がりつつありますが、摂り過ぎると逆効果になってしまいます。

これは、赤ワインに含まれるアントシアニンやタンニンというポリフェノールに、「下痢止め効果」があるためです。アントシアニンやタンニンは、腸のぜん動運動を抑制し、腸内の水分分泌を抑える働きがあるため、便秘の原因となってしまう可能性があるのです。

他のポリフェノールの効果は?

前述のイタリア人を対象とした分析で出た研究結果で、効果がないとされたのはレスベラトロールのみで、他のポリフェノールについては触れられていません。
ポリフェノールは赤ワインだけでなく、チョコレートのカカオマスポリフェノール、大豆イソフラボン、りんごポリフェノール、ウーロン茶重合ポリフェノールなど、たくさんの種類があります。これらのポリエノールの効果については、まだはっきりと分かっていないところがあります。

効果があると言われ、積極的に摂取してきたものが、後々実は効果がなかったと分かる可能性もあり、判断が難しいところです。しかし、食への情報にアンテナを張り、新しい情報を吸収しながら、自身や家族の健康的な食生活を考えることが、食への意識を高めることにつながりますので、常に食への関心を持つよう心がけましょう。

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