妊娠中は特に注意したい食事 妊娠中に摂りたい栄養素と注意すべき食べ物とは?

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妊婦

妊娠中は、お母さんが何を食べるかがとても大切になります。お母さんのへその緒を通して赤ちゃんに栄養が伝わるためです。
どんな栄養素が必要で、どんな食べ物に気を付けなければならないのでしょうか?
まとめてみました。

妊娠中は何をどれだけ食べたらいい?

厚生労働省、農林水産省が作成している「食事バランスガイド」によると、理想的な食事の組み合わせは「主食」「主菜」「副菜」「牛乳・乳製品」「果物」からなります。

■主食
エネルギー源となる食べ物のこと。ごはん、麺など炭水化物を多く含むものがほとんど

■主菜
たんぱく質の供給源となる肉、魚、大豆、卵などを材料とする料理

■副菜
ビタミン類、ミネラル、食物繊維の供給源となる野菜、いも、海藻、きのこ、大豆以外の豆類などを材料とする料理

非妊娠時、1日2,200kcal摂取する場合、主食はごはん中盛4杯程度、主菜3皿程度、副菜は野菜料理5皿程度、牛乳・乳製品は牛乳1杯程度、果物はりんご1個程度だと言われています。
これに対し、妊娠中は次のように付加することを推奨されています。

■妊娠初期
非妊娠時と同程度

■妊娠中期
副菜(野菜サラダ1皿程度)、主菜(冷奴1皿程度)、果物(みかん1個程度)を増やす

■妊娠後期
主食(おにぎり1個程度)、副菜(野菜サラダ1皿程度)、主菜(冷奴1皿程度)、牛乳・乳製品(ヨーグルト1パック程度)、果物(みかん1個程度)を増やす

妊娠中は「主食」を中心に、エネルギーをしっかりとりましょう。
でも、食べ過ぎは禁物です。妊娠高血圧症候群や巨大児分娩、妊娠糖尿病を予防するために、体重の変化を把握する必要があります。

妊娠中に摂りたい栄養素

では、妊娠中に摂りたい栄養素にはどういったものがあるのでしょうか?

■ビタミン・ミネラル
不足しがちなビタミン・ミネラルを緑黄色野菜で摂取しましょう。
特に重要なのは、ビタミンに含まれる葉酸です。
妊娠初期の人は、胎児の二分脊椎などの神経管閉鎖障害発症のリスクを減らすためにも葉酸を摂ることが重要だとされています。
葉酸は、ほうれん草、ブロッコリーといった緑黄色野菜やいちご、納豆などに多く含まれています。日ごろからこのような食品を多めに摂るようにしましょう。
また、葉酸の栄養機能食品などを妊娠前・妊娠初期に服用することも有効です。

■鉄分
妊娠中は、お母さんの体の鉄分が赤ちゃんの成長に使われるので、お母さんは貧血を起こしやすくなるようです。
貧血を防ぐためには、日々、栄養バランスの取れた食事をきちんととることが大切です。
鉄分だけでなく、良質のタンパク質、ビタミンなどを多く含む食品をうまく取り入れましょう。
例えば、肉類、レバー、魚介類、大豆類、緑黄色野菜、海藻、果物などが挙げられます。

■カルシウム
牛乳・乳製品などの多様な食品を組み合わせてカルシウムを十分に摂りましょう。
カルシウムは胎児の骨や歯を形成します。
カルシウムだけでなく、タンパク質、リン、ビタミンA・C・Dを含む食品をバランスよく摂ることが大事です。

妊娠中に気を付けなければならない食べ物

次に、妊娠中に気を付けなければならない食べ物にはどういったものがあるのでしょうか?

■魚介類に含まれる水銀
本来、魚は体に良いものです。
カルシウムをはじめ、血管障害の予防やアレルギーを抑制するDHA、EPAを多く含みます。

しかし、魚には食物連鎖の過程で自然界の水銀が含まれています。
特定の魚をあまり食べ過ぎてしまうと胎児に影響を与える可能性があるのです。
具体的に、食べる量を制限されている魚として以下のものがあります。

・キダイ
・マカジキ
・ユメカサゴ
・ミナミマグロ(インドマグロ)
・ヨシキリザメ
・イシイルカ
・クロムツ
・キンメダイ
・ツチクジラ
・メカジキ
・クロマグロ(本マグロ)
・メバチ(メバチマグロ)
・エッチュウバイガイ

また、その水銀量の多さゆえ、食べることを推奨されていないものとして、ゴビレゴンドウやバンドウイルカがあります。

また、特に注意が必要ではない魚としては、

・キハダ
・ビンナガ
・メジマグロ
・ツナ缶
・サケ
・アジ
・サバ
・イワシ
・サンマ
・タイ
・ブリ
・カツオ

があります。
魚には必要な栄養も沢山含まれていますので、バランスよく摂りましょう。

■ビタミンA・D・Kの過剰摂取
・ビタミンA
目の健康維持や皮膚・粘膜の免疫力を向上させます。
妊娠中も摂取を推奨されていますが、特に初期の場合、過剰摂取すると胎児に奇形が生じる可能性があるので注意してください。

・ビタミンD
歯や骨に必要な栄養素です。カルシウムやリンと同時摂取することでカルシウムの濃度を高めます。
これも摂取を推奨されていますが、過剰に摂ると腎機能障害、高カルシウム血症などを引き起こす可能性があります。

・ビタミンK
カルシウムを骨に沈着させる作用があるため、骨粗しょう症の改善に使用されています。
妊娠中も摂取を推奨されていますが、特に末期に過剰摂取すると、新生児に黄疸などが現れることがあるようです。

■リステリア食中毒を起こす可能性のある食品
食中毒は、妊婦や胎児に影響が出ることがあります。
妊娠中は、一般の人よりも食中毒の原因菌であるリステリア菌に感染しやすいと言われています。
スモークサーモン、加熱殺菌していないナチュラルチーズ、生ハム、肉や魚のパテなどは避けましょう。
また、冷蔵庫を過信せず、食べる前には十分加熱するようにしましょう。

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