人に害を及ぼす虫、というと皆さんはどのようなものが思い浮かびますか。
暑くなってくると、蚊や、ブヨ(ブユ)など吸血性の害虫、衣替えの時期になると衣類に穴を開ける虫、直接的な害は無いものの、ゴキブリや、ハエなども衛生的に気になるところではないでしょうか。
このように日本には、人の生活において厄介な毒を持った虫や、生活において好ましくない害虫が多数存在しています。
こうした虫から被害を受けないようにするための防虫や殺虫を目的としたグッズも最近はとても種類が多く、ドラッグストアには対象の害虫ごとにスプレーや置き型、直接肌につけるものなど様々な商品を目にすることが出来ます。
一体どの商品にどれほどの効果があってどのように違うのか、少し見ただけではさっぱり分かりません。
強い効果を前面に出している商品もありますが、そういった商品は効果も強い分、毒性など人体への影響も気になるところです。
害虫の被害を防止するグッズを使わなくても済むならばそれに越したことはないのですが、たかが虫と侮っていると、危険なウィルスを媒介しているものや、近頃では非常に強いアレルギー症状を発症する原因になるような外来種の存在も報告されています。
こうした、害虫の被害に遭わないようにするためにも防虫、殺虫、虫除けの薬剤は生活に取り入れていきたいものである一方その危険性についてあまり認識されていないのが現状にように感じます。
今回は、害虫対策に使われる薬剤についての実態と、どのように付き合っていったらよいか知識を深めてみたいと思います。
防虫、殺虫剤に使われるネオニコチノイドとは?
ネオニコチノイドは農薬の名称で、1990年代から販売されるようになり、現在では世界中で使用されている殺虫剤の成分です。
ネオニコチノイド系薬剤には次の7つの種類があります。
・アセタミプリド
・イミダクロプリド
・クロチアニジン
・ジノテフラン
・チアクロプリド
・チアメトキサム
・ニテンピラム
農薬・・・と聞くと農業を営んでいない場合私たちの生活にはそれほど関わりの無いことのようにも感じますが、実はこのネオニコチノイド系農薬はドラッグストアでも販売されている馴染みのある害虫対策商品に広く利用されています。
ゴキブリ駆除のための置き型の薬剤や、庭のアリの巣やシロアリを消滅させるためのもの、また、家庭菜園用の殺虫スプレー、ペット用ノミ取り剤にも利用されています。
このように、身近でありながらその商品に使われる成分としては馴染みの無いネオニコチノイドという成分ですが、気軽に手に入る割にその毒性については様々な懸念があります。
ネオニコチノイド系農薬の人体への影響
意外と身近に存在することが分かった、このネオニコチノイド系農薬ですが人体や環境への悪影響がいくつも報告されている注意が必要な薬剤です。
ネオニコチノイドの特長には次のようなものがあります。
・神経毒性
ネオニコチノイドの殺虫効果は、神経細胞の神経伝達を阻害することで得られるもので、これは虫だけでなく人間の脳や神経にも影響を及ぼします。
近年ネオニコチノイドが人の神経発達障害と関連する可能性をEUが公式発表しており、発達障害の代表的なものである、ADHDや自閉症との関連も指摘されています。
また、ハチの免疫系が抑制され感染症にかかりやすい状態に陥ったり、繊細なバランスの上に成り立っている生態系を脅かす可能性も報告されています。
・残留性
ネオニコチノイドは長期間に渡り、土壌や水中に残留、蓄積する性質があります。
連続した大量の農薬使用により、日本でも土壌への蓄積が心配されています。
・浸透性
水に溶けて、植物や農作物の隅々までいきわたり、その種や花粉からも成分が検出されるという特徴があります。
花粉や種と密接に関係するハチや鳥類、農作物を口にする人間の体への影響が考えられます。
また、土壌にしみこんだ成分は川や地下水にのって流出し影響が拡大しやすい性質もあります。
日常的に庭や屋内の害虫対策として使用している薬剤が人体や環境にこのような悪影響を及ぼしている可能性を考えると、効果があるからと安易に使用するのは危険なのではないかと感じてしまいます。
市販されているものは、すぐに人体に症状が出る量ではなく安全とされる量で作られていると思いますが、残留性や浸透性の面を考えると、長い時間をかけて健康に悪影響を与えていることも念頭に置いておかなくてはなりません。
これまでも実際に、ネオニコチノイドの神経毒性に影響を受けたハチが大量死し、生態系に影響を及ぼす事態が危惧された出来事が報告されています。
ハチの大量死は、ハチの力を借りて結実する作物への影響も大きく、ネオニコチノイド系農薬の使用は、害虫を駆除し作物を育ちやすくする反面、ハチの働きによる作物の育成に影響を与えてしまう相反的な存在であるということが言えます。
ネオニコチノイドに関する日本の対策
これだけ、人体や環境への影響が心配されるネオニコチノイド系農薬については2000年に入ってからヨーロッパをはじめ各国で使用禁止や規制の基準を設けるなどした対策がとられ始めました。
まず、先駆けて対策に乗り出したEUでは3種類のネオニコチノイド系農薬の使用を禁止し、これらの薬剤が神経発達障害との関連があるという見解を公式に発表しています。
アメリカやカナダのある北米でもハチへの危険性を警告する表示の義務化や、自治体、政府機関レベルでの規制が始まっています。
また、ハチなどを初めとする作物の受粉を助ける生物の保護についても強化する動きがあります。
このように先進国ではすでに、ネオニコチノイド系農薬への禁止や規制、認識強化の動きが進む中日本では規制どころか適用拡大と、残留基準の緩和が行われているというのだから驚きを隠せません。
ネオニコチノイドの実態に関する情報提供、公開も積極的には行われないため認知度が低く危険性を知らないまま消費者が使用し続けるという実態が伺えます。
虫除けにも含まれる危険な成分
防虫・殺虫効果のあるネオニコチノイド系薬剤の実態について調べてみましたが、さすがに安全性が高いだろうと思っていた体に直接つけるタイプの虫除け(忌避剤)も決して安心できないということが調べるうちに分かってきました。
体に直接散布、塗布するなどして使用する虫除けを数種類任意で選び有効成分について調べてみると大きく分けて3つほどに分類できます。
・ディート
・イカリジン
・ハーブなどの虫が嫌う天然成分
中でも、もっとも多くの商品で目にすることが出来るのがこのディートという虫除け成分でした。
必ずお世話になったことがあるはずなのに聞きなれない名前だと感じます。
イカリジンは日本では2015年に使用が許可された比較的新しい虫除け成分で1986年にドイツで開発されました。
現在は世界では54カ国以上で使用されているメジャーな虫除け成分です。
そして、化学成分に疑問を持つナチュラル思考の人たちから支持されているのが、レモングラス、シトロネラ、ゼラニウム、ペパーミント、ローズマリー、ユーカリ、ハッカ油などハーブや植物性の天然成分を使った虫除けです。
夏になると子どもから大人まで何気なく使用する虫除けですが、その成分中には時に体にとって有害となる成分があるということで、どのような注意がいるのか知っておく必要がありそうです。
それぞれについてもう少し詳しく見てみましょう。
・ディート
昆虫忌避剤と呼ばれる化学物質で、蚊やダニ、ブヨ(ブユ)など吸血性の虫に対する効果が高く、価格が安価であることから世界中様々な虫除け剤として使用されているメジャーな成分。
海外ではディート成分が30%上のものも使用されているが、日本ではその上限は12%とされている。
1940年代にアメリカ軍が戦地での虫除け用として開発した成分で、実験を繰り返して作られたものとして安全性が高いという評価もある一方、国民生活センターによれば「まれに体への影響がある」とされる側面もある。
ディートを使用することで体に起こる影響として考えられるのは・・・
・まれに蕁麻疹などのアレルギー症状を起こすことがある
・飲み込んだり日常的に使用することで神経障害や皮膚炎を発症することがある
・その他にも規定量を超えて使用した場合に、けいれん、低血圧、角膜混濁や結膜炎などの眼科的症状、妄想、頭痛、めまい、息苦しさといった症状がでることもある
といったことが言われています。
商品のパッケージには小さい子どものイラストなどがあり、乳幼児への使用が問題ないかのようなイメージを与えつつもメーカーに問い合わせると、乳幼児への使用はできるだけ控えてください、と回答されたという話もあるというから驚きです。
いずれも、体への悪影響が心配されるのは基準の量を超えて慢性的に使用した場合、ということのようで、一般的な使用ではただちに健康に問題があるということはない、安全性が高い、といわれています。
ですが、たとえたくさんの量を使った場合に限られているとはいえ、人体にとって危険性をはらんでいる成分である、ということは理解できると思います。
人間に害を与えるといわれる昆虫類であっても生き物である点では人と変わりません。
その小さな生き物が警戒して近寄らない成分となると、それを肌に直接塗布することに少し抵抗を覚えます。
まして、まれであるとは言えこれだけの副作用が報告されている成分。
出来れば使用は最小限にとどめ、健康的に対策したいと感じます。
・イカリジン
主流であったディートに代わり最近注目され始めている虫除け成分です。
イカリジンが注目されている要因のひとつには副作用の心配がほとんど無い、ということです。
また、副作用など人体への悪影響の心配がディートに比べ無い上、効果も同等であるということが言われています。
しかし、難点を挙げるとすれば、ディートで虫除け効果が認められているノミ、イエダニ、サシバエ、トコジラミなどの虫にイカリジンでは効果が確認できないことです。
新しく出てきた成分ということでこれまでに検証されなかった状況での使用で全く問題ない、と言い切るには少し歴史が浅いということも心配の1つと言えるかもしれません。
オススメの害虫対策はこれ!
厄介な虫に対抗するには、市販の防虫・殺虫剤、虫除けを利用するのが便利ですが安易に継続的に使用するのは人体にとってもあまり良いことではないということがお分かり頂けたと思います。
厄介ではあっても、虫が生き物であるという点では人間と同じです。
その虫にとって命を奪ったり、警戒して近寄らないものというのは人間にとっても危険なものである可能性があるということを感じました。
それでも、ウィルスの媒介や、アレルギー症状の原因となる虫は極力避けて被害を最小限に生活したいものですよね。
その場合には、化学成分を使わない天然のものを手作りしてみたり、化学薬品を使用していない天然成分で作られている製品を使用してみるのはいかがでしょうか。
・庭のアリ対策には安全性の高い手作りパウダー
重曹+パウダーシュガーでアリを撃退するアイテムを手作りすることが出来ます。
重曹はお料理にも使うことがある、食品添加物の一種でおなじみです。
重曹は酸と反応し二酸化炭素を発生させます。
アリが体内に持っている蟻酸(ぎさん)とこの重曹が反応し二酸化炭素を発生させることでアリを撃退します。
作り方
重曹3/4カップにパウダー寿賀―1/4カップを混ぜ合わせるだけ。
アリの巣の近くにこのパウダーを食べてもらえるよう設置すればOK。
市販されているアリを退治する薬剤については最初にご紹介したネオニコチノイド系農薬が使用されているものがあります。
それに替わって重曹を使ったもので退治できるのであれば安全面でも費用面でもメリットが大きいのではないでしょうか。
・ハッカ油とゼラニウムで作る虫除けスプレー
ハッカ油はハッカソウと呼ばれるミントの一種から取れる製油です。
この香りは害虫対策に効果があることからナチュラルな虫除けを作る時の材料として注目されています。
ハッカ油で虫除け効果が期待できる虫には次のようなものがあります。
・小さな昆虫類
・蚊
・クモ
・蜂
・アリ
・蛾
・ゴキブリ
・ムカデ
・蚤、ダニ
・カメムシ
いかがですか?
意外と幅が広く効果のある虫の種類としては一般的な虫除けと比べても十分である気がします。
ハッカ油はもちろん天然の成分であるため、小さな赤ちゃんでも使うことが出来、スプレー作りの材料を手に入れるのも難しくありません。
ハッカ油スプレーの材料
・スプレー容器(ポリスチレン製は避けてください。ハッカ油の成分で溶解します。)
・ハッカ油・・・20~60滴
・エタノール・・・10ml.
・精製水・・・90ml.
これらの材料を混ぜ合わせるだけでハッカ油スプレーの完成です。
ハッカ特有の香りが苦手という場合には、ゼラニウムというアロマオイルをプラスすることで香りが和らぎます。
このゼラニウム自体にも虫除けの効果が期待できますので一石二鳥です。
ハッカ油の量はお好みで調整が可能ですが、天然のものとはいえ量が多いと刺激も強くなりますので、20滴から様子を見てご自身に合った量を見つけていただければと思います。
虫除け効果だけでなく、暑い季節にはスーッとした清涼感もありいいことづくしです。
ご紹介したような手作りの害虫対策グッズも魅力的ですが、手間や時間をかけられない場合にはこうした、ハッカや天然ハーブを主成分とした虫除けグッズが市販でも多く販売されています。
ただ、天然ハーブ系を掲げていても成分を見るとディートなど化学薬品が混ざっているものもあるため確認が必要です。
是非、虫除けや害虫対策の薬剤を手にする際には裏面の成分表示に注目してみてください。
ネオニコチノイド系の7種の薬剤名やディートなど人体や環境への影響が心配される成分が使われていないかどうか、購入の参考にしていただければと思います。
科学的な薬品類に比べ、こうした天然のものはこまめな塗り直しや保存が利きにくいなどの弱点もありますが、健康と安全を考えれば少々手間があってもこうした自然のものを上手に取り入れていけたらと感じます。
小さな子どもやペットのいる家庭ではなおさらですよね。
厄介な害虫との付き合い方を薬剤の持つ特徴を紹介しながら見てきましたが、最適な害虫対策の参考にしていただけましたでしょうか。
虫は困った存在ではありますが、同様にそれを対策する化学薬品にも危険な一面があるということを知って頂き、体と環境にやさしい害虫対策を取り入れ健康的な生活にお役立ていただければと思います。
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