突然ですが、毎日の睡眠しっかりとれていますか。
一日の疲れを癒し、脳を休め情報を整理し定着させるためにも人にとって睡眠は非常に大切な要素です。
しかし、現代人は5人に1人が睡眠に問題を抱えていて、20人に1人が睡眠障害の治療のために薬を服用しているというデータがあります。
睡眠に問題があると自覚していない人も含めるとかなりの割合で正常な睡眠が取れていないという実態があり現代人にとっては深刻な問題です。
正常な睡眠が阻害される原因にはいろいろなことが考えられますが、食事との因果関係についても研究が進んでいます。
睡眠同様、人間の活動にとって重要な意味を持つ食事。
睡眠と食事の間にどのような関係があるのか、双方について学びながらその関係性について考えてみたいと思います。
現代人の抱える睡眠の問題
そもそも、睡眠は私たちの日常においてどのような働きを担っているのでしょうか。
睡眠、というと主には体や脳の休息をとるためのものと認識している人が多いと思います。
ですが、実際にはそれだけの問題ではなく免疫機能の維持や正常な精神活動を営むためなど、私たちが認識している以上に重要な役割を果たしています。
例えば、睡眠が正常に取れていないことが原因で免疫機能が落ちると感染症にかかりやすくなり、がんや心疾患、高血圧が原因の脳血管障害などの発症リスクが高まるというデータがあります。
つまり、睡眠の良し悪しが生活習慣病を初めとする様々な疾患のリスクを全般的に高めてしまう危険があるというわけです。
私たちの健康を脅かす、この睡眠障害のタイプにはただ眠れない、というだけではなく様々な種類があります。
■不眠症
一般的に睡眠障害というとこの不眠症をイメージする方が多いのではないでしょうか。
不眠症は、寝つきが悪い、何度も目が覚め十分な眠りを継続できない、早朝に目が覚めてしまい以降眠れない、寝ても十分に睡眠をとった感じがしないというのが主な症状です。
発症年齢は20~30代に始まり加齢が進むと共に増加し、中年期以降、老年期まで急激に増加します。
また、性差では女性の方が発症しやすいというデータがあります。
■過眠症
不眠症に比べ認知度の低い過眠症ですが、眠りすぎてしまう、眠気が強いというのも睡眠障害の1つです。
日中に耐え難い眠気が生じ短い居眠りを繰り返すナルコレプシーや3日から3週間の周期的な傾眠期を不定期で繰り返す反復性過眠症などいくつかの種類があります。
■概日リズム睡眠障害
昼夜のリズムを正常に保つ体内時計が夜間勤務や、ゲームに没頭し夜間に眠らないなどの生活をすることによりずれることで生じる睡眠障害。
夜間に眠れず、明るい時間帯に眠気が襲ってきて仕事に集中できない、授業中に居眠りをしてしまうなど通常の社会生活に困難が生じます。
■睡眠呼吸障害
一般的には睡眠時無呼吸症候群として認知されているのがこの疾患です。
就寝中に何度も睡眠が止まる、無呼吸状態が1時間に5回以上出現し呼吸量が正常な呼吸の2/1程度になるのがこの疾患の特徴です。
大きなイビキをかき、覚醒時に頭痛や倦怠感を覚えるなどの自覚症状が伴います。
そのほかにも、就寝時に足にむずむずとした不快感が生じ寝付けない、手足が繰り返しぴくっと動くことで深く眠れず何度も目が覚める、夜間脳が眠っている状態の時に動き回り記憶に残らない夢遊病なども睡眠障害の一種とされます。
睡眠障害の原因はその内容により様々ありますが、テレビ、スマートフォン、パソコンなどの普及により昼夜問わず強い光にさらされていることや、ITの発達によりコミュニケーションや、情報の処理が複雑化していることで生じるストレス、これらのストレスにより発症するうつ病を初めとする精神疾患の増加も関係していると言われます。
睡眠障害に悩む人の割合は年々増加傾向にあり、誰でも陥る可能性のある現代病として注目されている問題です。
睡眠のメカニズム
睡眠には浅い眠りであるレム睡眠と、深い眠りであるノンレム睡眠の2種類があり、これを90分~120分の感覚で睡眠中に繰り返しています。
眠りにつくと先ずは、浅い眠りであるレム睡眠状態に入ります。
レム睡眠中は体の筋肉は緩んでいて脱力している状態ですが、脳は活発に活動していて呼吸数や心拍数もノンレム睡眠時に対し多いのが特徴です。
脳が活発に活動しているレム睡眠中は夢を見たり、記憶の整理や定着のための働きがあり一晩の睡眠の中でも後半に(起床に近づくにつれ)多く出現する傾向があります。
一方、ノンレム睡眠とは体だけではなく脳も休ませるための睡眠で活発に活動する時に働く交感神経や知覚、運動、記憶などをつかさどる大脳皮質を休ませることでストレスを取り除き、よりリラックスした状態を作り出す睡眠であるといえます。
食と睡眠の関係
このように、私たちの健康的な生活や正常な生体リズムを作り出すのに重要な働きをしている睡眠ですが、同様に生きるうえで欠かせない食事との間に密接な関係があることが知られるようになってきました。
体内時計を調節し正常な眠りを生み出すホルモンとして人間は体内で「メラトニン」というホルモンを分泌しています。
メラトニンは脳の松果体という部分で分泌されているホルモンで睡眠と覚醒をコントロールする働きがあります。
このメラトニンの材料となる成分で食物から摂取できるものが「トリプトファン」で、トリプトファンからメラトニンを分泌させるのに重要なセロトニンを合成するのに必要な栄養素が「ビタミンB6」です。
トリプトファンは体の中で作り出すことが出来ない必須アミノ酸と呼ばれる成分で、メラトニンを分泌させるために必要なセロトニンの材料にもなります。
このセロトニンの働きはメラトニンの分泌を促進する以外にも自律神経のコントロールや脳のリラックスに関係があり、睡眠にとってとても重要です。
トリプトファンは体内で作り出すことが出来ないため、メラトニンやセロトニンを上手く働かせよい睡眠をとるためにはトリプトファンを意識した食事をすることで摂取することが必要と言えます。
そして、このトリプトファンからセロトニンを合成するために必要な栄養素がビタミンB6です。
トリプトファンをたくさん摂取しても合成に必要なビタミンB6を摂取しないと脳内で働ける状態にすることができません。
トリプトファン以外にも食事から摂取できる栄養素で正常な睡眠を助けるものに、テアニンやGABA(ギャバ)という物質があります。
直接睡眠のコントロールをする物質ではありませんが、これらのもつ抗ストレス作用により神経が沈静化することで眠りの質を高める働きがあります。
また、食事と睡眠の関係としてはその内容だけではなく摂り方も大きく影響します。
スムーズな入眠のためには就寝時に体の深部体温が緩やかに低下していくのが良いとされますが、この条件を妨げるのが就寝直前に夕飯を摂取すること、消化に時間のかかるものを夕飯に多く取り入れることです。
就寝直前に食事を取ることで消化のために体が熱を作り出してしまい、体温を下げることが出来ずスムーズな眠りを妨げます。
また、たんぱく質の摂取はある程度必要である一方、消化に時間のかかる肉類を過度に摂取することは内臓を長時間働かせることになり体が休息のための準備をすることが出来ない状態を作り出してしまいます。
良い眠りのための夕食のタイミングは就寝の2~3時間前までとし、消化を考えた内容の食事を適量で済ませることが理想です。
睡眠を助けるトリプトファンという栄養素
睡眠に大切な物質として睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンと脳内物質であるセロトニンの働きが大切であるというお話をしました。
セロトニンという脳内物質はメラトニンの分泌に重要な働きを担っていて、セロトニンが無ければメラトニンを分泌することは出来ません。
そして、このセロトニンの生成に必要なものがトリプトファンです。
トリプトファンを食事から十分にそして効率よく摂取しないとセロトニンが生成されず、メラトニンの分泌も不足するため睡眠にとって良くない状況が作られてしまいます。
トリプトファンを意識した食事を心がけることで、睡眠の質を高めることが出来るというわけです。
では、トリプトファンを多く含む食材を見てみましょう。
■バナナ 10mg/100g
■豆乳 53mg/100g
■牛乳 42mg/100g
■ヨーグルト 47mg/100g
■プロセスチーズ 291mg/100g
■ひまわりの種 310mg/100g
■アーモンド 201mg/100g
■肉類 150~250mg/100g
■赤身魚 200~250mg/100g
■糸引納豆 242mg/100g
■すじこ 331mg/100g
■たらこ 291mg/100g
■白米 89mg/100g
■そば 192mg/100g
全体的に肉や魚介類、乳製品や豆類などのたんぱく質に多く含まれている傾向があります。
これらの食品を積極的に摂取することでトリプトファンの摂取量が増え、セロトニン、メラトニンの量も増えるわけですが、実はやみくもにトリプトファンのみの摂取をしても効率よく体内に取り入れることが出来ません。
トリプトファンを摂取すると同時にその利用を助ける栄養素も取り入れる必要があるのです。
まずは、前述したビタミンB6。
トリプトファンからセロトニンを合成するのに必要な栄養素です。
また、トリプトファンをたくさん含むたんぱく質には他にも様々な働きをする必須アミノ酸が含まれています。
これらの必須アミノ酸の中にはトリプトファンが体内に取り込まれる際に必要なアミノ酸トランスポーターの利用率を下げ成分が脳へ届けられるのを阻害する働きを持つものがあります。
トリプトファンを摂取するためにたんぱく質をたくさん摂取しても、たんぱく質自体にその利用を阻害する働きを持つものも含まれるため無駄になってしまうというわけです。
そこで、トリプトファンの摂取を阻害する物質に働きかけ効率よく成分を吸収する手助けをしてくれるのが炭水化物です。
炭水化物は糖質を多く含むためダイエット目的で控えているという人の声も多く聞かれますが、極端な炭水化物カットはトリプトファンが効率よく働くのを妨げ、最終的には睡眠や正常な生体リズムの維持に良くない影響を与えてしまう可能性があるのです。
炭水化物以外に、トリプトファンの働きを助けるものに乳酸菌も挙げられます。
乳酸菌は腸内でたんぱく質の分解を助ける作用があり同時に摂取することでより多くのトリプトファンが分解され体内に取り込まれることになります。
ヨーグルトやチーズなどの乳製品はトリプトファンと乳酸菌を同時に摂取できる食物としてお勧めです。
このように、睡眠ホルモンであるメラトニンを十分に分泌させるためにはトリプトファンが大切ではあるものの、それだけに目をむけ偏った食事をしてしまうとせっかく摂取したトリプトファンが利用されること無く無駄になってしまうということも併せて知っておきたい情報です。
睡眠を助ける働きのあるその他の注目成分
また、トリプトファン以外に睡眠と深い関係がある栄養素にテアニンやGABA(ギャバ)があげられますが、これらはストレス緩和に効果を発揮する成分で間接的に良質な睡眠を促す働きがあります。
■テアニン(グルタミン酸エチルアミド)
お茶に多く含まれるアミノ酸の一種で、甘みやうまみの成分。
お茶の中でも、抹茶や玉露などの高級なお茶に多く含まれていて、カフェインによる興奮を抑制する効果、集中力を向上させる効果、リラックス効果など体にとって良い効果が様々発見されている注目の成分です。
緑茶にはカフェインが含まれているため、神経を興奮させるのでは?という心配もありますが、このテアニンの効果によりお茶に含まれるカフェインの効果が緩和され逆にリラックス効果が発揮されるということです。
睡眠に問題を抱える人がテアニンの摂取をする実験を行った結果、プラセボ(擬薬)と比較し睡眠途中で覚醒する問題の改善や起床時のリフレッシュ感が増加したとの報告もあります。
ストレスや脳の興奮が睡眠を阻害する要素であるため、それらを沈静化させリラックス状態を作り出すテアニンも快適な睡眠にとって重要な成分であるということが言えます。
■GABA(ギャバ)
GABAを含むお菓子や飲み物も商品化されたり、どこかで目にしたことのある成分ではないでしょうか。
GABAを多く含む食品として発芽玄米があげられますが、それ以外にも日常的に私たちが口にするトマト、ナス、きゅうり、みかん、キムチなどからも摂取が可能です。
GABAは脳内に存在する神経伝達物質の一種で、興奮した神経を沈静化させる抗ストレス作用を発揮します。
GABAを摂取することで、興奮作用のあるドーパミンの働きを抑えリラックス状態をつくり出すことが出来ます。
ストレスの無い状態を作り出しリラックスすることで自分のもっている力を最大限に発揮できるということで、GABAの摂取はトップアスリートも積極的に行っているストレス対策です。
良質な食事が作る睡眠
ご覧頂いたように、食事は睡眠にとって大切な要素であることがお分かりいただけたかと思います。
単に睡眠にとって良いと言われる成分を集中して摂取すればよいというわけではなく、トリプトファンと同時にその利用を助けるビタミンB6、炭水化物、乳酸菌の摂取が必要であるということがわかりました。
また、睡眠を促すホルモン「メラトニン」に注目するだけではなく、神経の興奮、自律神経の乱れ、ストレスなどに対抗する成分を積極的に取り入れることも健康的な睡眠のためには大切です。
これらの物質をバランスよく取り入れるために必要な食品をあげてみると不思議と一般的に健康的であるとされる良質な食生活がイメージできます。
■トリプトファンを含む食品
肉、魚類
乳製品
大豆製品
■ビタミンB6を含む食品
青魚
バナナ
玄米、胚芽小麦などの未精製穀類
にんにく、しょうが
■炭水化物を含む食品
米
パン
うどん、パスタなどの麺類
■乳酸菌を含む食品
ヨーグルト
キムチ
味噌
■テアニンを含む食品
抹茶、緑茶
■GABAを含む食品
トマト、なす、アスパラガス、かぼちゃ、きゅうり、メロン、みかん
漬物などの一部発酵食品
これらの食品を、偏ることなく日常で摂取することはバランスの取れた良質な食生活に他なりません。
健康的な睡眠を意識し、バランスよくその為の栄養素を摂取すると必然的に様々な食品から必要な栄養素を摂取することになり、結果それらの食品に含まれる体に必要なその他の栄養素も取り入れることになります。
つまり、良質な食事=バランスよく様々な栄養素を摂取する=睡眠にとって大切な機能が働き、その他の働きのある栄養素も同時に摂取される=健康的な体が作られる、というように結果的に体全体にとって調和の取れた状態を生み出すことができるわけです。
健康的に生活する・・・というと抽象的で何に気をつけたら良いか曖昧になってしまいがちですが、食と睡眠の関係を意識することで結果生活全体が健康的に変化するのであれば、是非取り入れて行きたい心がけです。
みなさんも、ご自身の睡眠を見直し、良質な食生活を意識することで是非健康的な体と生活を手に入れてみませんか。
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