農薬の種類はどれくらいあるの?何のためにどんな薬剤が使われているの?

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皆さんがイメージする「農薬」の成分とはどんなものですか?殺虫成分や殺菌成分、あるいは除草成分などでしょうか。実は農薬には、実に多くの種類があり、登録されている商品数にすると数千件にも及びます。具体的にどのような農薬がどのような目的で使用されているのでしょうか。

そもそも農薬とは?

「農薬」と大きなくくりを一口で言いますが、具体的にはどのようなものを「農薬」として定めているのでしょうか?「農薬取締法第一条の二」では、農薬とは次のように定義されています。

【この法律において「農薬」とは、農作物(樹木及び農林産物を含む。以下「農作物等」という。)を害する菌、線虫、だに、昆虫、ねずみその他の動植物又はウイルス(以下「病害虫」と総称する。)の防除に用いられる殺菌剤、殺虫剤その他の薬剤(その薬剤を原料又は材料として使用した資材で当該防除に用いられるもののうち政令で定めるものを含む。)及び農作物等の生理機能の増進又は抑制に用いられる成長促進剤、発芽抑制剤その他の薬剤をいう。】

つまり、害虫や害獣、あるいは病原菌などを防除するための薬剤だけではなく、農作物の生理機能の増進や抑制をするための薬剤も農薬に分類されているのですね。
さらに、2項では次のように定めています。

【前項の防除のために利用される天敵は、この法律の適用については、これを農薬とみなす。】

薬剤ではなく害虫や害獣、細菌、ウイルスなどに対する「天敵」も農薬としてみなされるということになります。一例をあげると、ナナホシテントウ(てんとう虫)は、農作物に被害を及ぼすアブラムシを捕食する(=天敵)ため、昆虫でありながら「生物農薬」でもあるわけです。

こうしてみると、一口に農薬といっても、その定義が意外と幅広いことが分かります。
具体的にどれくらいの種類の農薬があるのか、見ていきましょう。

農薬の種類はどれくらい?

まず農薬を大きく分類すると「特定農薬」と「登録農薬」に分かれます。

■特定農薬とは?
農薬としての登録が必要ないほど、明らかに人体や環境などに害がないことが分かっていて、なおかつ防除効果も認められる成分に関しては特定農薬に分類され、基準などもなく使用することができます(無農薬栽培においても使用が認められています)。
2016年4月の時点で、この特定農薬に登録されているのは「重曹」「食酢」「天敵」「エチレン」「次亜塩素酸水」の5種類になります。ただし、次亜塩素酸水は「塩酸」または「塩化カリウム水溶液」を電気分解して得られたものに限られています。
また、この5種類以外にも「防除効果があり」「人体や環境などに明らかに無害である」と思われる成分については、自己判断で使用できることになっています。

■登録農薬とは?
農薬を製造している会社や輸入会社などは、毒性など所定の試験を行ったうえでその結果を農林水産省に提出します。農林水産省はそのデータを元にして審査を行い、その結果農林水産大臣の認可を得て初めて農薬として使用が認められます。これを「登録農薬」と言います。現在、およそ4,500の商品が登録されており、有効成分に関しては500種類以上が登録されています。
なお、使用目的などによって有効成分の含有量などが変わり、また製造会社によっても商品名が異なりますので、個々に登録をする必要があります。そのため、有効成分が500種類以上であるのに対し、商品数がおよそ4500品という登録数になっています。

登録農薬は、用途や成分別に非常に細かく分類されているのですが、数が多すぎてこれら全てを一度にご紹介することができませんので、一般的にどのように分類されるのか、についてご紹介します。

(1)殺虫剤:農作物にとって有害な昆虫などを防除する目的で使用される農薬です。害虫には、昆虫のほかダニ類や線虫類も含まれますので、殺虫剤の中には殺ダニ剤あるいは殺線虫剤なども含まれることになります。
(2)殺菌剤:農作物にとって有害な細菌、カビなどを防除する目的で使用される農薬です。
(3)殺虫殺菌剤:上記の殺虫剤および殺菌剤が混合されて一つになった農薬です。
(4)除草剤:農作物に害を及ぼす雑草などを防除する目的で使用される農薬です。
(5)殺鼠剤:農作物に害を与える野ネズミを駆除する目的で使用される農薬です。
(6)植物成長調整剤:農作物等の生理機能の増進又は抑制に用いられる農薬です。
(7)その他:上記に該当しない目的で使用される農薬で、忌避剤、誘引剤、展着剤、農薬肥料などが含まれます。

■「その他」についてもう少し詳しく・・・
・忌避剤:害虫や害獣などが嫌う、特定のにおい・色・味などを利用して、それらを農作物から遠ざける目的で使用される農薬です。
・誘引剤:害虫類が引き寄せられる、特定のにおい・フェロモンなどを利用して、それら害虫を一定の場所に集めてしまうことで農作物を守ります。
・展着剤:散布した農薬が、農作物の表面や害虫などの体表にしっかりと付着させることを目的に使用される農薬です。
・農薬肥料:農薬と肥料を混ぜ合わせたもので、殺虫剤・殺菌剤・植物成長調整剤などと複合肥料との混合製剤があります。

そして、例えば殺虫剤であれば「有機リン系」「電子伝達系Ⅰ阻害剤」「キチン合成阻害剤」「ジアミド系」、殺菌剤であれば「無機化合物」「酸アミド系」「ステロール合成阻害剤」「ベンゾイミダゾール系」など、有効成分によってさらに500種類以上に細かく分類されて行きます。

農薬の種類は増えている?減っている?

農薬は、一度登録をすれば以降永久に使用できるという訳ではありません。登録の有効期間は3年と定められていて、その都度更新手続きが必要になります。その際に、商品あるいは成分が人体や環境に対して危険性があると判断された場合には、登録ができなかったり、使用禁止農薬となることもあります。
また、販売量の減少などにより製造会社が更新しないケースもありますので、農薬の種類は増減を繰り返しています。具体的な数は、1970年頃や1990年頃などは6,000以上の商品が登録されていましたが、現在では4,500ほどになっています。今後も、増減を繰り返して行くものと思われます。

ポストハーベスト農薬は農薬じゃないの?

ポストハーベスト農薬とは、農作物の収穫後にその作物の保存性を保つ(高める)ために使用される農薬のことです。具体的には、外国産の農作物を輸入するにあたって、輸送中あるいは倉庫での保管中に腐敗や病気などから守るために、防カビ剤や殺虫剤などを使用します。

日本国内では原則として、ポストハーベスト農薬の使用は禁止されています。ところが、ポストハーベスト農薬の使用目的は「保存」ですので、農薬でありながらも食品衛生法によって「食品添加物」に分類され、使用が認められている成分もあるのです。
つまり、農薬としての使用はNGであっても、食品添加物としての使用はOKという成分もある、ということになります。

食品衛生法によって使用が認められている食品添加物(ポストハーベスト農薬)には次のようなものがあります。
・OPP(オルトフェニルフェノール)
・TBZ(チアベンダゾール)
・イマザリル
・フルジオキニソル など
なお、これらの成分は包装容器や店内の棚などに表示する義務がありますので、もし輸入された果物などを目にする機会があれば、チェックしてみてください。

ここまでのことを踏まえて、ポストハーベスト農薬が使用される理由について簡単にまとめると、以下ようになります。
・日本の食料自給率はおよそ40%程度しかない
・不足分は輸入に頼らざるを得ない(ほかにも国家間の取り決めなどにより輸入することになっている等)
・ある程度の食品添加物(ポストハーベスト農薬)の使用は仕方ない

言われてみれば確かに、外国産の農作物が収穫されてから長い時間をかけて輸送されてきたり、倉庫で保管をする間にカビが生えてしまう、害虫や病原菌に冒されてしまう、といったリスクは考えられます。品質を保つためには、ある程度のポストハーベスト農薬の使用は仕方のないことなのかも知れませんね。

ということで、ポストハーベスト農薬は農薬か?については、農薬であっても農薬でない、少し微妙な立場にあると言えそうです。

家庭菜園における農薬

近年、自宅や自治体が貸し出している畑などで、家庭菜園を始める方が増えています。家庭菜園には、自分自身の手で作る楽しさがあったり、昨今の残留農薬問題などで脅かされている「食の安全」に対する安心感があることなどが理由のようです。

家庭菜園で使用する農薬も、今回ご紹介したような殺虫剤や殺菌剤、除草剤などの農薬です。種類によって用途が異なりますので、家庭菜園をされる方はある程度知っておいた方が、選ぶ際にスムーズかもしれませんね。

なお、家庭菜園用の農薬は、初心者にも分かりやすいように「農林水産省登録第○号」というラベルが貼られています。また、使い方も分かりやすく説明されていますが、製品をそのまま使用するタイプと、水などで希釈して使用するタイプがありますので、使用方法はしっかりと確認をしましょう。
農薬の使い方次第では、前日まで元気だったのに翌日になって枯れていた、腐ってしまった、といった状況を招いてしまう可能性もありますので、注意が必要です。

家庭菜園を始めてみると、農作物を栽培することがいかに大変か、そして農薬がいかに重要か、ということも実感できそうですね。

日本の農業が抱える問題について

少し話が逸れてしまいますが、日本の農業が直面している問題にも触れておきましょう。
農林水産省の調査によりますと、2015年の農業従事者はおよそ209万人と発表されました。1985年がおよそ542万人だったことと比較すると、30年間でなんと60%も減ってしまったのです。さらに、現在農業を続けている方々の平均年齢も66.3歳と、人手不足と高齢化が深刻な問題となっています。

また、専業農家の中には土日すら休みなく農作業に従事しなければならなかったり、夏場の連日の猛暑などでは、体力的にも非常に大きな負担がかかります。そのため、高齢になるに連れて農業を引退する方も増えています。

農薬は農作物の品質や生産量を保つためには欠かせませんが、こうした人手不足などにより圃場(田畑)の環境管理が困難になってくると、害虫や病原菌などをこれまでにようにしっかりと防除できなくなる可能性があります。かといって、農薬の使用量は厳しく規制されていますので、人体や環境への害、あるいは農作物の薬害が懸念されるという観点からも、散布量を増やすことはできないでしょう。

この問題が改善されないまま数十年後を迎えてしまうと、品質や生産量の低下という、日本の農業にとってはとても厳しい現実が待ち構えているのです。

農薬 種類2

農薬に感謝しながらも、しっかり落とすことが大切

さて、今回は農薬の種類をメインに解説しました。
農薬には、殺虫剤、殺菌剤、除草剤以外にも非常に多くの種類があり、それぞれ用途によって使い分けられているということでしたが、その種類の多さや使用目的を知ることで農薬の必要性を再認識できた反面、より「残留農薬」が気になってしまった、という方も多いのではないでしょうか。

農薬は品質や生産量を保つために必要ですが、人体には不要な「農薬」。私たちは農薬の存在に感謝しながらも、食べる時にはそれらをしっかりと洗い落とすことで、自分自身や家族の健康を守っていく必要があるのです。

自分や家族の健康管理に「ベジセーフ」

家族の健康管理や栄養管理のためにも、食材の安全が気になっているお母さんは多いのではないでしょうか。実は野菜や果物に付着している残留農薬や添加物は、家庭の水道水だけでは落としきれません。こういった農薬や汚れをきれいに落としてくれるのが、野菜洗い専用水の「ベジセーフ」です。
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