あまり聞きなれないかも知れませんが、「ポストハーベスト」という言葉があります。これはいわゆる「ポストハーベスト農薬」のことで、「収穫後農薬」とも訳されます。
なぜポストハーベスト農薬が必要なのか、ポストハーベスト農薬を巡ってどのような問題が起こっているのかなど、今回はポストハーベスト農薬の基本的な部分を解説します。
ポストハーベスト農薬とは?
名前は見たことがある・聞いたことがあるけれど、具体的にどういうものなのか分からない、という人も多いと思いますので、まずはポストハーベスト農薬が何なのかというところから触れて行きましょう。
■収穫後に散布される農薬のこと
ポストハーベストは英語の「Post(後)」と「Harvest(収穫)」から来ています。つまり“収穫後”という意味になり、ポストハーベスト農薬は、“収穫後に野菜や穀物、果物など散布される農薬”ということになります。「ポストハーベスト」も「ポストハーベスト農薬」もほぼ同義で使用されています。
なお、野菜の生産過程で用いられる一般に言う農薬は、ポストハーベスト農薬に対して「プレハーベスト農薬」と言いますが、このような言い方はほとんどされていません。
■収穫後に農薬を散布とはどういうこと?
農林水産省の発表によりますと、日本の食料自給率は平成27年(2015年)時点で39%という非常に低いものとなっています。そのため、食品の不足分を海外からの輸入に頼っているのが現状です。
輸入された食品が私たち消費者の手元に届くまでには、船舶や貨物機などによって輸送されてきたり、輸入後も貯蔵庫にて保管されるなど、収穫からそれなりの時間を要することがあります。また、特に熱帯地域を通って船舶で輸送されてくる場合は、コンテナ内の温度も湿度も高くなる可能性があります。その輸送や保管の間、病原菌や害虫による被害、腐敗、発芽、微生物による汚染などが起こり、商品としての価値がなくなってしまわないように品質を保持する目的、およびその被害による供給量の低下、ならびに価格の高騰を防ぐ目的でポストハーベスト農薬が使用されています。
■日本でもポストハーベスト農薬の使用が認められている?
ここ日本においては、ポストハーベスト農薬の使用は保管のために用いる燻蒸剤(くんじょうざい)以外は認められていません。燻蒸剤とは、臭化メチル、シアン化水素、リン化アルミニウムなどがそれに該当しますが、穀物を貯蔵する際の害虫駆除のためにこそ臭化メチルを用いられることがありますが、基本的には国内で生産された農産物には燻蒸剤が使用されることはほとんどないと言われています。
*燻蒸剤とは
殺虫剤(殺菌剤)を気体の状態にして作用させ、害虫の駆除などを行うための薬剤です。燻蒸は密閉された空間で行われ、また気体であるため消費者の元に届くまでにはほとんど残留しないと言われています。
■ただし食品添加物として認められているものはある
しかしながら、日本でもポストハーベスト農薬としては認められていないものの、「食品添加物」として認められているものがあります。例えば、オルトフェニルフェノール、チアベンダゾール、イマザリルといった殺菌剤が含まれた防カビ剤であったり、ピペロニルブトキシドなどの防虫剤などがそれに該当します。
■なぜ「食品添加物」なのか?
食品衛生法で定義されている食品添加物とは、「食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物」を指します。従って上記の防カビ剤や防虫剤などは、ポストハーベスト農薬でありながら「保存の目的」で使用されているため「農薬」ではなく「食品添加物」の扱いになるという訳です。
ポストハーベスト農薬の方が残留農薬が多い?
「収穫した後に農薬を散布する」と聞くと、生産過程で散布する農薬よりも残留農薬量が多くなり、私たちの健康に害を及ぼす危険性が増すようなイメージを抱いてしまいますよね。また、根拠は定かではありませんが、一部では“収穫後に行う農薬処理は、生産過程で使用する農薬の数倍から数百倍も濃度や残留性が高い”といった情報も流れていますので、確かに私たちがそのように捉えてしまっても不思議ではありませんし、生産過程において散布される農薬よりも残留しやすいというのはあながち間違いではないかも知れません。
■スーパーなどでも確認できる
例えばスーパーで売られている輸入品のオレンジ、グレープフルーツ、レモンなどには、《防カビ剤として○○を使用しています》などの表記が見られることがあります。○○には「オルトフェニルフェノール(OPP)」、「チアベンダゾール(TBZ)」、「イマザリル」、「ジフェニル」といったポストハーベスト農薬のいずれかが表記されています。これは表記を義務付けられているものであり、ポストハーベスト農薬を使用しているという証拠です。
■ポストハーベスト農薬にはどのようなリスクがある?
先ほどもお話ししたように、ポストハーベスト農薬は、通常の生産過程で用いられる農薬の数倍から数百倍といった非常に高濃度の農薬が使用されていると言う説があります。それだけでも十分に危険性が高いと感じられますが、ポストハーベスト農薬は、表面だけではなく内部にまで浸透する可能性があるとも言われているのです。
さらには、薬剤の中には発がん性物質であったり、催奇形性(奇形を生じさせる恐れがある物質や作用のこと)を持つものがある、あるいはアレルギー誘発・悪化させる可能性があるといったことも指摘されています。
しかしながら一方では、各都道府県の食品衛生検査所からは特に問題になるようなポストハーベスト農薬の残留に関する報告は出されていない、あるいは食品衛生法で定められている残留基準値を上回る食品は流通していないといった意見も出ています。また催奇形性については、ポストハーベスト農薬ではなく、不純物として含まれたダイオキシンが問題であるとも言われています。
このように、根拠についてはまだまだ未解明な部分が多いため、ポストハーベスト農薬のリスクという点については今後も研究の余地ありと言えそうです。
さて、すこし不安を煽ってしまうような内容が続きましたが、当然、これに対して国も何の対策も練っていないという訳ではありません。では、どのような基準を設けているのでしょうか。
■国はどのように定めている?
ポストハーベスト農薬は食品添加物に該当するため、食品衛生法で使用が認められていない食品添加物が含まれている場合、その食品はそもそも輸入、販売、使用などが認められていません。
また、収穫前、収穫後いずれであっても、農薬や食品添加物の残留濃度の基準値が定められていますので、その基準値を超える食品は同様に輸入、販売、使用が認められません。
■残留農薬の基準値とは?
農薬あるいは食品添加物として使用が認められている物質は非常に多く、実に数百種類にも及びますが、日本では現在803種類の農薬や食品添加物について残留基準を定めています。
この残留基準の設定については、食品安全委員会が設定する各物質ごとの「毎日一生涯にわたって摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される一日あたりの摂取量(一日摂取許容量)」を基に、体重1kgあたりで算出しています。
【例】ある物質の一日摂取許容量が「0.1mg/kg/day」であった場合
体重60kgの人が、一日当たりその物質を6mgずつ毎日一生涯にわたって摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される、ということになります。
農薬等が基準値を超えて残留することがないように、厚生労働省が設定した残留基準に沿って農林水産省が農薬等の使用基準を定めていると同時に、輸入時には検疫所において残留農薬の検査を行っています。
■日本の農薬等の残留基準は厳しい?
厚生労働省の発表によりますと、国際基準を基にして日本とアメリカの残留農薬等の基準値を比較すると次のようになります。
《日本の基準が国際基準よりも厳しい例》
アジンホスメチル(殺虫剤)
・ブルーベリー:日本1ppm/国際基準5ppm/アメリカ5ppm
・アーモンド:日本0.01ppm/国際基準0.05ppm/アメリカ0.2ppm
《日本の基準が国際基準と等しい例》
クロルピリホスメチル(殺虫剤)
・米:日本0.1ppm/国際基準0.1ppm/アメリカ6.0ppm(*)
*アメリカではポストハーベスト農薬として設定されていることから、日本と比べて高い値となっている。
・小麦:日本10ppm/国際基準10ppm/アメリカ6.0ppm
《日本の基準が国際基準よりも緩い例》
イミダクロプリド(殺虫剤)
・ぶどう:日本3ppm/国際基準1ppm/アメリカ1ppm
・ブロッコリー:日本5ppm/国際基準0.5ppm/アメリカ1.0ppm
・マンゴー:日本1ppm/国際基準0.2ppm/アメリカ1.0ppm
このような結果になるのは、日本と諸外国との気候や風土、害虫の種類の違いなどにより、使用濃度や使用量が異なるためであるとされています。国際基準より厳しいものもあれば緩いものもあり、一概に日本の基準が厳しいとは言えないことが分かります。
ポストハーベスト農薬が不安視されるようになったのは?
国内で生産された野菜などには燻蒸剤を除いてはポストハーベスト農薬が使用されていないのに、なぜポストハーベスト農薬がここまで不安視されるようになったのでしょうか。これには、野菜などの農産物を海外から大量に輸入しているという背景があります。
■農業が直面する現実問題として劇的な変化を求めるのは不可能
検疫所での残留農薬や残留添加物の検査があるとは言え、全ての野菜などの食品一つ一つを精査することは不可能に近く、中には検査を通り抜けて残留基準値を超えたものが流通してしまう可能性も考えられます。
また、先ほどもお話ししましたように日本の食料自給率がおよそ39%ということは、単純に考えても不足分の61%は輸入に頼っているということになります。食料自給率を上げるにも、日本の農業は長年の間人手不足が課題となっていて、現在でも農業従事者の減少が続いていますので、劇的な変化を望むことはできません。
これらのことを考えれば、食品の輸入量を減らして食料自給率を上げるということが現実的ではないことはお分りいただけるかと思います。つまり、将来的にはどうなるかは分かりませんが、これから先も当分の間は海外からの輸入に頼らざるを得ず、私たちの食卓にも海外からの野菜などが並び続けることになるということを意味します。
そこで大切になってくることは?
このように様々な背景を鑑みると、通常の生産過程において使用する農薬もポストハーベスト農薬も、私たちが野菜などを毎日摂取するには必要不可欠なものであるということが言えます。
逆を言えば、それらの農薬がなければ品質が落ちて食中毒などを招いてしまう可能性もありますし、供給量が減少することで野菜が高騰し、誰もが食べられるものではなくなってしまう可能性もあります。
野菜は私たちの健康という面においては欠かせない食材ですので、農薬を使用しないというデメリットはそのまま私たちに返ってきてしまうのです。
そこで大切になってくることは、少し視点を変えて、たとえ農薬や食品添加物が残留している野菜などを買って来たとしても、調理をする時点でしっかりとそれらを洗い落とす、ということに着目するということではないでしょうか。
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ポストハーベスト農薬について解説をしました。きちんと基準が定められているとは言え、日々の健康管理や栄養管理のためにも、食材の安全が気になっているお母さんは多いのではないでしょうか。
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